世界中で親しまれている童謡「きらきら星」は、日本でも馴染み深い楽曲ですが、英語の歌詞である「Twinkle, Twinkle, Little Star」を正しく歌えるようになりたいと考える人は少なくありません。英語の歌詞をカタカナで表記し、その意味や発音のコツを理解することは、英語学習の第一歩としても非常に有効な手段となり得ます。美しいメロディに乗せて英語の音韻感覚を養うことができるこの曲には、単なる子供向けの歌にとどまらない深い魅力や歴史的背景が存在します。本記事では、きらきら星の英語歌詞をカタカナでどのように発音すべきか、それぞれの単語の意味や文法的な構造、さらには曲の成り立ちに至るまでを徹底的に解説します。英語の発音に自信がない方でも、カタカナをガイドにすることでネイティブに近い発音感覚を掴むことができるよう、詳細な分析を行います。
きらきら星の英語歌詞とカタカナ読みを徹底解説
きらきら星を英語で歌う際には、単にカタカナをそのまま読むだけではなく、英語特有のリズムやアクセントを意識することが重要です。ここでは、最も有名な1番の歌詞を中心に、カタカナ表記だけでは伝えきれない発音のニュアンスや、歌詞に含まれる単語の意味、そして英語らしい響きを作るためのテクニックについて詳しく解説していきます。
1番の歌詞と詳細なカタカナ発音ガイド
きらきら星の冒頭部分は、誰しも一度は耳にしたことがある有名なフレーズです。英語の歌詞は以下の通りです。
Twinkle, twinkle, little star, How I wonder what you are! Up above the world so high, Like a diamond in the sky. Twinkle, twinkle, little star, How I wonder what you are!
この歌詞をカタカナで表記する場合、一般的な読み方としては以下のようになりますが、より英語らしい発音に近づけるためのポイントを加えた表記を紹介します。
トゥウィンコー、トゥウィンコー、リロースター ハウ・アイ・ワンダー・ワット・ユー・アー アッパ・バヴ・ザ・ワールド・ソー・ハイ ライク・ア・ダイアモン・イン・ザ・スカイ トゥウィンコー、トゥウィンコー、リロースター ハウ・アイ・ワンダー・ワット・ユー・アー
ここで注目すべきは「Little」の発音です。日本の学校教育で習う「リトル」という発音ではなく、アメリカ英語ではTの音が変化し(フラップTと呼ばれます)、「リロー」や「リル」に近い音になります。舌先を上の歯茎に軽く当てて弾くようなイメージです。また、「Twinkle」の語尾の「le」は「ル」と発音するよりも、舌を上の歯茎につけて喉の奥で音を鳴らす「ダークL」と呼ばれる音に近いため、「コー」や「オ」に近い響きになります。
「Star」や「Are」のRの音は、舌を巻くようにしてこもった音を出すことで、より本格的な響きになります。特に語尾のRは、口をあまり大きく開けず、舌を喉の奥に引き込むようにして発音するのがポイントです。「World」の発音も難関ですが、「ワ」の後に「RL」が続くため、舌を巻きながら(R)、すぐに上の歯茎に舌先をつける(L)動作が必要になります。「ワールド」と母音を入れるのではなく、「ゥワールd」のように、最後は舌先で軽く音を止めるイメージで発音します。このように、カタカナ表記をベースにしつつも、実際の英語の音の変化や舌の動きを意識することで、歌の完成度は格段に上がります。
歌詞の単語の意味と文法解説
歌詞の意味を深く理解することは、感情を込めて歌うために不可欠であり、記憶の定着にも役立ちます。一行ずつ詳しく文法構造を見ていきましょう。
「Twinkle, twinkle, little star」 「Twinkle」は「きらきら光る」「またたく」という動詞です。ここでは星に対して呼びかけているため、命令形のような形をとっていますが、詩的な表現として星の動作や状態を描写しています。「Little star」は「小さな星」という意味で、呼びかけ語(Vocative)として機能しています。
「How I wonder what you are!」 この行は感嘆文の構造を含んでいます。「How」は程度を強調する役割を果たし、「I wonder」は「~かなと思う」「不思議に思う」という意味です。「what you are」は「あなたが何であるか」という間接疑問文であり、名詞節を作っています。直訳すると「あなたが一体何者なのか、私はどれほど不思議に思っていることか!」となります。これは、夜空の星に対する純粋な好奇心と畏敬の念を表現しています。
「Up above the world so high」 この文は倒置や省略が含まれていますが、「(You are) Up above the world so high」と補って考えると分かりやすくなります。「Up above」は「~のはるか上に」、「The world」は「世界・地球」、「So high」は「とても高く」を意味します。「Above」という前置詞は、何かに接触せずに上方にある状態を示します。つまり、星が地上の世界から遥か離れた高い場所に存在していることを強調しています。
「Like a diamond in the sky」 「Like」はここでは「~が好き」という動詞ではなく、「~のような」という意味の前置詞として使われています。「A diamond」は「ダイヤモンド」、「In the sky」は「空にある」という意味です。これは直喩(Simile)と呼ばれる修辞技法で、「空にあるダイヤモンドのように」と星の輝きを宝石に例えています。
このように、シンプルな単語の並びの中にも、英語の基本的な文法構造(間接疑問文、前置詞句、比喩表現など)が凝縮されており、英語初心者にとっても学びの多い教材となっています。
ネイティブっぽく発音するためのコツ
きらきら星をネイティブのように流暢に歌うためには、単語と単語をつなげて発音する「リエゾン(リンキング)」というテクニックを意識する必要があります。
例えば、「Up above」の部分は、「アップ・アバヴ」と区切るのではなく、「アッパバヴ」のようにPとAの音がつながります。子音で終わる単語の次に母音で始まる単語が来ると、音が連結する現象です。また、「Diamond in」の部分も「ダイアモンド・イン」ではなく「ダイアモンディン」のように、DとIがつながることでスムーズなリズムが生まれます。
さらに、英語には「強弱のリズム(ストレスアクセント)」が存在します。日本語は全ての音節(モーラ)をほぼ同じ強さと長さで発音する「音節拍リズム」ですが、英語は「強勢拍リズム」です。重要な意味を持つ単語(内容語)を強く長く、文法的なつなぎ役の単語(機能語)を弱く短く発音します。 この曲の場合、「Twinkle」「Star」「Wonder」「High」「Diamond」「Sky」といった単語に強いアクセントを置き、その他の単語(I, what, you, the, a, inなど)は添えるように軽く、素早く発音することで、英語特有の波打つようなリズム感が生まれます。カタカナを追うだけでなく、この強弱の波を意識することが、ネイティブらしい発音への近道です。
よくある発音の間違いと修正ポイント
日本人がきらきら星を英語で歌う際によくある間違いの一つが、不要な母音の挿入です。
例えば「What」という単語を「ホワット」と発音する際、最後の「ト(to)」に母音の「o」を強く発音してしまいがちです。しかし、英語の語尾のT(破裂音)は、息を止めるか、軽く破裂させるだけの音であり、母音は含みません。「What」は「ゥワッ」と息を止めるような音になります。「Diamond」の最後のDも同様で、「ド(do)」と言い切らずに、舌を上の歯茎に当てて音を止める程度で十分です。
また、「Sky」も「スカイ(su-ka-i)」と3拍で発音するのではなく、「ス・カイ」のように、Sの音を鋭く出し(無声音)、母音「u」を含まないように注意が必要です。「High」の「H」の音は、喉の奥から息を吐き出す音であり、日本語の「ハ」よりも息の量が多くなります。
さらに、「V」の音(Above)の発音も重要です。上の歯で下唇を軽く噛み、振動させながら音を出します。日本語の「バビブベボ」とは全く異なる音であることを意識しましょう。「アバヴ」と言う時、唇を閉じてしまうと「B」の音になってしまいます。下唇を噛む動作を大げさに行うことで、クリアな発音になります。
これらの細かな修正ポイントを意識し、カタカナの呪縛から少しずつ離れて音を耳で捉える練習を繰り返すことで、発音の精度は確実に向上します。鏡を見ながら口の形を確認するのも効果的です。
きらきら星の英語歌詞やカタカナ表記の背景にある歴史
きらきら星は単なる子供向けの歌ではなく、長い歴史を経て現在のような形になりました。この楽曲の起源や、歌詞が生まれた背景、そして世界中でどのように受容されてきたかを知ることは、歌への理解を深める上で非常に興味深いテーマです。ここでは、原詩の作者やメロディのルーツ、そして日本における普及の過程について、英語歌詞とカタカナ表記の観点も交えながら調査した内容を詳述します。
原詩「The Star」とジェーン・テイラー
現在私たちが「きらきら星」として歌っている歌詞は、実は19世紀初頭のイギリスで生まれた詩が元になっています。1806年に出版された『Rhymes for the Nursery(童謡集)』に収録された「The Star」という詩が、そのオリジナルです。
この詩を書いたのは、ジェーン・テイラー(Jane Taylor)という女性詩人です。彼女は姉のアン・テイラーと共に多くの子供向けの詩を創作しましたが、その中でもこの「The Star」は傑出した人気を博しました。原詩は実は5番まであり、私たちがよく知る1番の歌詞の後に、旅人を導く星の役割や、カーテンの隙間から覗く星の様子などが描かれています。
例えば、2番の歌詞には「When the blazing sun is gone(燃えるような太陽が沈んだら)」といった表現があり、夜の闇の中で星が輝き始める様子が描写されています。また、旅人が暗闇の中で道を見つけるために星の光に感謝する場面もあり、単なる美しい風景描写だけでなく、星の実用的な役割や人間との関わりも描かれています。ジェーン・テイラーの詩は、子供の視点から見た自然の不思議さや美しさを素朴かつ繊細に表現しており、その普遍的なテーマ性が、200年以上経った今でも愛され続ける理由の一つとなっています。この詩が後にフランスの民謡のメロディと結びつき、現在のような歌の形として定着しました。
メロディの起源とモーツァルトの変奏曲
きらきら星のメロディは、しばしばヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが作曲したものだと誤解されがちですが、実際には彼が作曲したものではありません。
このメロディの起源は、18世紀半ばのフランスで流行していたシャンソン(民謡)、「Ah! vous dirai-je, maman(ああと母さん、あなたに申しましょう)」にあります。当時のこの歌の内容は、子供向けのものではなく、娘が母親に恋心を打ち明けるという、やや大人向けの内容でした。「お母さん、聞いてちょうだい、シルヴァンドルという男の子のせいで、私はこんなに苦しいの」といった歌詞がついていました。
モーツァルトはこのまたとない美しいメロディを主題として用い、ピアノのための変奏曲「きらきら星変奏曲(K.265/300e)」を作曲しました。モーツァルトがパリに滞在していた1778年頃に作曲されたと言われています。この変奏曲は、シンプルな主題から始まり、技巧的で華やかな12の変奏が展開される傑作です。この変奏曲が有名になったことで、メロディ自体がモーツァルトの作品であるという認識が広まったと考えられます。
しかし、原曲がフランスの民謡であるという事実は、このメロディがいかに当時の人々の心に深く根付いていたかを示しています。シンプルでありながら一度聴いたら忘れられない旋律(ド・ド・ソ・ソ・ラ・ラ・ソ…)は、国境や時代を超えて様々な歌詞が乗せられ、世界中に広まっていきました。
世界中で歌われるきらきら星のバリエーション
フランスで生まれたメロディとイギリスで生まれた詩が融合してできた「Twinkle, Twinkle, Little Star」は、その後世界各国へ翻訳され、様々なバリエーションを生み出しました。
日本では、大正時代に詩人の武鹿悦子や由木康らによって日本語の歌詞がつけられ、童謡として定着しました。特に「きらきらひかる、おそらのほしよ」という歌詞は、英語の原詩の雰囲気を上手く捉えつつ、日本語の美しい響きを生かした名訳として知られています。日本語版の歌詞は、七五調のリズムに乗せるために多少の意訳が含まれていますが、原詩の持つ「星への呼びかけ」や「輝きの描写」は見事に継承されています。
また、このメロディは「ABCの歌(The Alphabet Song)」としても世界中で親しまれています。1835年にアメリカのボストンで出版された楽譜に初めて掲載されたと言われています。同じメロディでアルファベットを覚えるこの歌は、きらきら星と同じく英語学習の初期段階で必ずと言っていいほど用いられます。歌詞の文字数とメロディの音符の数が一致するように工夫されており、「L-M-N-O-P」の部分が早口になるのが特徴的です。
さらに、ドイツ語、スペイン語、中国語など、世界中の数多くの言語で翻訳され、それぞれの国の文化に合わせた歌詞で歌われています。例えば、ドイツ語版の「Morgen kommt der Weihnachtsmann(明日サンタクロースがやってくる)」はクリスマスソングとして親しまれています。このように、一つのメロディがこれほどまでに多様な言語や文化で共有されている例は稀であり、きらきら星が持つ普遍的な魅力と、文化的な柔軟性を物語っています。
きらきら星の英語歌詞とカタカナについてのまとめ
きらきら星の英語歌詞とカタカナの要点
今回はきらきら星の英語歌詞とカタカナについてお伝えしました。以下に、今回の内容を要約します。
・きらきら星の英語タイトルはTwinkle Twinkle Little Starである
・Littleの発音はリトルではなくリローに近いフラップTの音になる
・Twinkleの語尾はダークLを用いて喉の奥で響かせる深みのある音にする
・StarやAreのR音は舌を巻いてこもった響きを作ることが重要である
・Wonderは不思議に思うという意味の動詞であり感嘆文の一部である
・Aboveは上にという位置関係を示す前置詞であり接触していない状態を表す
・Like a diamondは星を宝石に例えた直喩表現(Simile)である
・英語のリズムを作るにはリエゾン(リンキング)を意識して単語をつなげる
・重要な単語を強く読み機能語は弱く読む強弱(ストレスアクセント)が大切である
・語尾の破裂音(TやD)には母音を入れないよう注意して発音する
・原詩は1806年にイギリスの詩人ジェーン・テイラーによって書かれた
・メロディの起源は18世紀フランスの民謡「Ah! vous dirai-je, maman」である
・モーツァルトは変奏曲を作曲したがメロディのオリジナルの作者ではない
・世界中でABCの歌や各国の童謡として様々な形で親しまれている
きらきら星の英語歌詞は、シンプルながらも英語の重要な発音要素や文法が詰まっており、学習素材として非常に優れています。カタカナを単なる読み仮名としてではなく、発音のガイドとして活用し、耳で聴いた音を真似ることで、より自然な英語の発音を身につけることができるでしょう。ぜひこの機会に、英語での歌唱に挑戦してみてはいかがでしょうか。

