宇宙忍者ゴームズの全話?その魅力を幅広く調査!

「宇宙忍者ゴームズ」という名前を聞いて、懐かしさを感じる方も、あるいは全く新しい響きとして受け取る方もいらっしゃるかもしれません。1960年代にアメリカで制作され、その後日本でも放送されたこのアニメーションは、単なる「海外アニメの日本語吹き替え版」という枠を遥かに超えた、独特の文化的アイコンとして今なお語り継がれています。

しかし、その「全話」は一体どのような内容だったのでしょうか?なぜ今、カルト的な人気を博しているのでしょうか?

この記事では、「宇宙忍者ゴームズ」の基本情報から、原作であるアメリカン・コミック『ファンタスティック・フォー』との比較、そして何よりも特徴的とされる日本語吹き替え版の「魔改造」とも呼べる魅力について、幅広く徹底的に調査し、解説していきます。その全貌に迫ることで、作品が持つ奥深い魅力を再発見します。

「宇宙忍者ゴームズ 全話」の概要と作品背景

「宇宙忍者ゴームズ」は、そのユニークな邦題からは想像がつきにくいかもしれませんが、現代のエンターテインメント界に絶大な影響を与え続ける「マーベル・コミック」のヒーローチームが原作です。しかし、日本で放送された際、それは驚くべきローカライズ(現地化)を経て、全く別の輝きを放つ作品へと変貌を遂げました。ここでは、その「宇宙忍者ゴームズ」の全話を理解するために不可欠な、作品の基本情報と文化的背景を深掘りします。

「宇宙忍者ゴームズ」とは?基本的な作品情報を解説

「宇宙忍者ゴームズ」(原題:The Fantastic Four)は、アメリカのハンナ・バーベラ・プロダクションが制作したテレビアニメーションシリーズです。アメリカでは1967年から1968年にかけて放送され、日本では1969年にNETテレビ(現在のテレビ朝日)系列で放送されました。

全19回、合計20話のエピソード(1話が短編2本立ての回があるため)で構成されています。

物語の核心は、宇宙飛行中に未知の宇宙線を浴びたことにより超能力を得た4人のヒーローが、その力で悪と戦うというものです。しかし、日本での放送にあたり、この作品は独自の進化を遂げることになります。

原作「ファンタスティック・フォー」との関連性と日本でのローカライズ

本作の原作は、スタン・リーとジャック・カービーによって生み出されたマーベル・コミックの金字塔『ファンタスティック・フォー』です。彼らはマーベル初のスーパーヒーローチームであり、その後のマーベル・ユニバースの礎を築きました。

しかし、日本に上陸した際、彼らは驚くべき改変を受けました。まず、チーム名とキャラクター名が一新されます。

  • 原作チーム名: ファンタスティック・フォー
  • 日本語版チーム名: 宇宙忍者ゴームズ
  • ミスター・ファンタスティック(リード・リチャーズ)
    • 能力:体をゴムのように伸縮させる天才科学者。
    • 日本語版名:ゴームズ(声:小林修)
      • 「ゴム」が名前の由来とされており、リーダーである彼がチーム名そのものを冠することになりました。
  • インヴィジブル・ウーマン(スー・ストーム・リチャーズ)
    • 能力:体を透明化し、強力なバリア(フォースフィールド)を作り出す。
    • 日本語版名:スージー(声:増山江威子)
      • 原作ではリードの妻ですが、日本語版では「お転婆」なキャラクター性が強調され、なぜか「自分がバリアを使えることを度々忘れる」という独自の(そして致命的な)設定が付与されたとさえ言われています。
  • ヒューマン・トーチ(ジョニー・ストーム)
    • 能力:全身を発火させ、飛行する能力を持つ。
    • 日本語版名:ファイヤーボーイ(声:前川功人)
      • スージーの弟。熱血漢の若者という点は共通していますが、より少年的な響きの名前に変更されています。
  • ザ・シング(ベン・グリズム)
    • 能力:岩石のような強靭な皮膚と怪力を持つ。
    • 日本語版名:ガンロック(声:関敬六)
      • 「岩(ガン)ロック」という、見た目そのままのネーミングです。彼の口癖は、この日本語版の個性を決定づける重要な要素となりました。

伝説の日本語吹き替え版:高桑慎一郎の「魔改造」

この作品がカルト的な人気を放つ最大の理由、それは日本語吹き替え版の演出にあります。演出を手掛けたのは、高桑慎一郎氏。『チキチキマシン猛レース』や『スーパースリー』など、数々のハンナ・バーベラ作品の日本語版を大ヒットさせた伝説的な演出家です。

彼の演出方針は「日本人の子供にわかりやすいものでないと」という信念に基づき、大胆な意訳やアドリブの推奨、そして独自のキャスティングにありました。

高桑氏は声優だけでなく、「多方面の異色な役者さん」を起用することを好み、「宇宙忍者ゴームズ」はその方針が最も先鋭的に現れた作品の一つです。

豪華すぎるコメディアン声優陣とアドリブの嵐

「宇宙忍者ゴームズ」の日本語版は、当時の人気コメディアンや個性派俳優がヴィラン(悪役)の声を担当したことで、シリアスな原作とは似ても似つかぬ「ギャグアニメ」としての側面を強く持つことになりました。

  • ガンロック(関敬六)
    • メインヒーローの一人であるガンロックを担当した関敬六氏は、浅草のコメディアン。彼の持ちネタである「ムッシュムラムラ」は、ガンロックの決めゼリフとして多用され、当時の子供たちの間で大流行しました。
  • 悪魔博士(ドクター・ドゥーム)(南利明)
    • 原作ではマーベル・ユニバースを代表する冷酷非情な最強のヴィラン、ドクター・ドゥーム。しかし日本語版では「悪魔博士(あくまひろし)」、本名「アクマ・ユメノアール」というとんでもない名前に。
    • さらに声を担当したのが、名古屋出身のコメディアン・南利明氏であったため、悪魔博士は「~だぎゃー」「~だがね」といった強烈な名古屋弁で世界征服を企む、非常にコミカルなキャラクターへと変貌しました。
  • その他のヴィランたち
    • ボロボロ(ディアブロ):声は「さいざんす」で一世を風靡したトニー谷氏。原作の邪悪な錬金術師が、彼独特の「トニングリッシュ」で喋ったと想像されます。
    • レッドワル(クロウ):声は個性派俳優の大泉滉氏。
    • モグラ怪人(モールマン):声は谷幹一氏。
    • ハゲチャビーン博士(レッドゴースト):声は相模太郎氏。

このように、当代随一のコメディアンたちが集結し、高桑氏のアドリブを奨励する演出のもと、シリアスなヒーローアニメは日本独自の「お笑い劇場」へと「魔改造」されたのです。これが、「宇宙忍者ゴームズ」が単なる翻訳作品に留まらない独自の地位を確立した理由です。

「宇宙忍者ゴームズ 全話」のエピソードと見どころ徹底分析

「宇宙忍者ゴームズ」は全19回、合計20話が放送されました。残念ながら日本語版のサブタイトルリストの完全な資料は現存が確認されていませんが、原版(The Fantastic Four 1967)の全エピソードリストと、判明しているあらすじを元に、その「全話」の内容を徹底的に分析・調査します。

原版エピソード 全20話リスト

まず、ベースとなった原版の全20話(放送順不同)の英語タイトルをリストアップします。

  1. Klaws (レッドワル登場回)
  2. Menace of the Mole Men (モグラ怪人登場回)
  3. Diablo (ボロボロ登場回)
  4. The Red Ghost (ハゲチャビーン博士登場回)
  5. Invasion of the Super-Skrulls (スーパースクラル登場回)
  6. Three Predictions of Dr. Doom (悪魔博士登場回)
  7. The Way It All Began (オリジン回)
  8. Behold a Distant Star
  9. Prisoners of Planet X
  10. The Mysterious Molecule Man (モレキュールマン登場回)
  11. Danger in the Depths
  12. Demon of the Deep
  13. Return of the Mole Man (モグラ怪人再登場回)
  14. It Started on Yancy Street
  15. Galactus (ギャラクタス登場回)
  16. The Micro World of Dr. Doom (悪魔博士再登場回)
  17. Blastaar
  18. The Terrible Tribunal
  19. Rama-Tut (ラマ・ツト登場回)
  20. The Deadly Director

主要エピソードのあらすじと見どころ

全話の中でも、特に原作コミックで人気の高いヴィランが登場する回や、オリジン(誕生秘話)を描く回は、日本語版でも強烈な印象を残しました。判明しているあらすじと、日本語版での「見どころ(妄想含む)」を解説します。

“The Way It All Began” (すべての始まり)

ゴームズたちがいかにして超能力を得たのか、そして宿敵・悪魔博士との因縁が語られるオリジン回です。

天才科学者ゴームズ(リード)は、宇宙船での宇宙線観測を計画。反対を押し切り、親友のベン(ガンロック)、婚約者のスー(スージー)、その弟ジョニー(ファイヤーボーイ)と共に宇宙へ旅立ちます。しかし、想定外の強力な宇宙線を浴び、4人は地上に墜落。それぞれが超能力を身につけたことを知ります。

同時に、ゴームズの大学時代の同級生であったヴィクター・フォン・ドゥーム(悪魔博士)が、危険な実験の失敗で顔に傷を負い、その責任をゴームズにあると逆恨みして復讐を誓う経緯も描かれます。

【日本語版の見どころ】

シリアスな誕生秘話が、いかにして「宇宙忍者」という邦題に結びついたのかは永遠の謎です。また、悪魔博士が「ゴームズのせいでワシの顔はズタズタだぎゃー!」と名古屋弁で逆恨みするシーンがあったかどうか、非常に気になるところです。

“Menace of the Mole Men” (モグラ怪人の脅威)

ゴームズたちが実験のために訪れた孤島は、地下帝国の王「モグラ怪人(モールマン)」の罠でした。彼は地上への復讐として、世界の主要都市を地下に沈めようと企みます。ゴームズたちは一度捕らえられますが、それぞれの能力を駆使して脱出。モグラ怪人の野望を阻止します。

【日本語版の見どころ】

声を担当したのは谷幹一氏。コミカルな演技で知られる彼が、原作の陰鬱なヴィランをどのように演じたのか。おそらく「ワッハッハ、地上はワシのものだ!」といった高笑いが響く、憎めない悪役になっていたと推測されます。

“Diablo” (ボロボロの脅威)

トランシルヴァニアの古城を訪れたゴームズたち。そこでガンロックが、誤って伝説の錬金術師「ボロボロ(ディアブロ)」の封印を解いてしまいます。復活したボロボロはガンロックを洗脳し、世界を混乱に陥れようとしますが、ゴームズたちのチームワークによって再び封印されます。

【日本語版の見どころ】

最大の見どころは、もちろんトニー谷氏の吹き替えです。「オー、ミステイク!封印を解いてしまったざんす!」「このワタクシが世界を支配するんでありんす!」といった「トニングリッシュ」が炸裂する、伝説回であったことは間違いありません。

“Three Predictions of Dr. Doom” (悪魔博士の3つの予言)

死んだと思われていた悪魔博士がテレビ電波をジャックし、ゴームズたちに3つの予言を通告します。それは「ゴームズの心臓部(スージー)を奪う」「最大の力(ガンロック)を除く」といったものでした。スージーを人質に取り、津波でロンドンを脅かす悪魔博士。しかし、ゴームズたちの活躍で予言は破られ、悪魔博士はまたも敗れ去ります。

【日本語版の見どころ】

南利明氏演じる悪魔博士が、得意の名古屋弁で「ワシの3つの予言を聞くがね!」「スージーは人質に取ったわ!どうだぎゃ、ゴームズ!」と高らかに宣言する姿が目に浮かびます。緊迫感よりも脱力感が勝る、日本語版の真骨頂と言えるエピソードです。

“Invasion of the Super-Skrulls” (スーパースクラルの侵略)

変身能力を持つ宇宙人・スクラル帝国が、地球侵略の尖兵として「スーパースクラル」を送り込んできます。スーパースクラルは、ゴームズ、スージー、ファイヤーボーイ、ガンロックの4人全員の能力を併せ持つ強敵です。一度は敗退するゴームズたちでしたが、ゴームズが「彼のパワーは母星からのビームで供給されている」ことを見抜き、妨害装置を開発。スージーの決死の活躍で装置を取り付け、強敵を無力化します。

【日本語版の見どころ】

全員の能力を持つ強敵というシリアスな展開。しかし、ここでも「ムッシュムラムラ!」と突撃するガンロックや、「あらヤダ、バリア忘れたわ!」と叫ぶ(かもしれない)スージーの姿が想像され、ハラハラとコメディが同居する回であったと推測されます。

“Galactus” (ギャラクタスの襲来)

原作コミックでも屈指の重要エピソード。「惑星捕食者」と呼ばれる宇宙の超存在ギャラクタスが、地球を「食べる」ために飛来します。その先兵であるシルバーサーファーに対し、ゴームズたちは全く歯が立ちません。

絶望的な状況の中、スージーが負傷したシルバーサーファーを看護し、彼に「命の尊さ」を説きます。その心に触れたシルバーサーファーはギャラクタスに反旗を翻し、ゴームズたちに加勢。最終的にゴームズ(リード)がギャラクタスの宇宙船から奪った最終兵器「アルティメット・ヌリファイア」を使い、ギャラクタスを脅迫して撤退させます。

【日本語版の見どころ】

宇宙規模の壮大なストーリーですが、日本語版ではスージー(増山江威子)がシルバーサーファーに「命は大切にしなきゃダメよ!」と優しく語りかけるシーンが、作品のシリアスな側面を担ったと考えられます。

「宇宙忍者ゴームズ 全話」を巡る後世への影響と視聴方法

「宇宙忍者ゴームズ」は、放送から半世紀以上が経過した現代においても、その強烈な個性によってカルト的な人気を保ち続けています。その独特な魅力が後世に与えた影響と、現在「全話」を視聴することが可能なのかを調査しました。

カルト的人気と「迷場面集」の再評価

「宇宙忍者ゴームズ」の日本での放送は、原作のシリアスなSFヒーロー活劇を、当代一流のコメディアンたちによるアドリブ合戦の場へと変貌させました。この「魔改造」こそが、本作の最大の功績であり、魅力の源泉です。

  • 悪魔博士の名古屋弁(「おみゃーら、やっつけてまうがね!」)
  • ガンロックの「ムッシュムラムラ」
  • スージーの「あらヤダ!」(と聞こえるようなお転婆なセリフ回し)
  • トニー谷の「~ざんす」(ボロボロ)

これらの要素は、当時の子供たちに強烈なインパクトを与えると同時に、原作のファンタスティック・フォーが持つ「家族のドラマ」や「科学的知見」といった要素を日本市場向けに大胆にオミットする結果となりました。

近年、動画共有サイトの普及により、これらの強烈な日本語吹き替えシーンが「迷場面集」として再発掘され、人気を博しています。「シリアスな顔でとんでもないことを言っている」というギャップが、新たな世代の笑いを誘い、カルト的な再評価につながっているのです。

関連作品やオマージュの探求

「宇宙忍者ゴームズ」そのものが直接的なオマージュの対象となることは稀ですが、高桑慎一郎氏が確立した「海外アニメをコメディアンのアドリブで魔改造する」という手法は、その後の日本の吹き替え文化に少なからず影響を与えました。

また、ガンロックの「ムッシュムラムラ」というセリフは、後年、別のお笑い芸人によってギャグとして使用されるなど、そのフレーズ自体が独り歩きするほどの知名度を獲得しました。これは、関敬六氏個人の持ちネタでありながら、「ゴームズのガンロック」のセリフとして記憶している人も多いという、稀有な事例となっています。

「宇宙忍者ゴームズ 全話」現在の視聴可能性

では、これほどまでに魅力的な「宇宙忍者ゴームズ」の全話を、現在視聴することは可能なのでしょうか。

結論から言うと、2025年現在、日本国内で正規に日本語吹き替え版の全話を視聴することは非常に困難です。

  • DVD/Blu-ray:
    • 日本国内版のDVD-BOXやBlu-ray-BOXは、これまで一度も発売されていません。
    • 北米版(アメリカ版)のDVD-BOXは存在しますが、当然ながら収録されているのは英語音声のみであり、日本語吹き替えや日本語字幕は収録されていません。
  • 動画配信サービス:
    • 国内の主要な動画配信サービス(Netflix、Amazon Prime Video、Hulu、U-NEXTなど)での定期的な配信は行われていません。

このように、「宇宙忍者ゴームズ」の全話を高画質・高音質で楽しむことは、現時点ではほぼ不可能です。この伝説的な「魔改造」吹き替え版の公式な復刻が、多くのファンによって待たれています。

「宇宙忍者ゴームズ 全話」に関する調査まとめ

宇宙忍者ゴームズ 全話の魅力についてのまとめ

今回は宇宙忍者ゴームズ 全話についてお伝えしました。以下に、今回の内容を要約します。

・「宇宙忍者ゴームズ」は1967年米制作の「ファンタスティック・フォー」のアニメ

・日本では1969年に放送された

・全19回、合計20話のエピソードで構成される

・日本語版の演出は「チキチキマシン猛レース」と同じ高桑慎一郎

・高桑演出は「子供にわかりやすく」をモットーに大胆な改変を行った

・ヒーロー名はゴームズ、スージー、ファイヤーボーイ、ガンロックに変更

・最強のヴィラン、ドクター・ドゥームは「悪魔博士」と命名された

・悪魔博士の声はコメディアンの南利明が担当

・悪魔博士は強烈な名古屋弁で話すキャラクターに「魔改造」された

・ガンロックの声はコメディアンの関敬六が担当

・ガンロックの「ムッシュムラムラ」は関敬六のアドリブから流行語になった

・他のヴィランもトニー谷(ボロボロ役)や大泉滉(レッドワル役)などコメディアンが多数起用された

・原作のシリアスな作風が、日本ではギャグアニメとして受容された

・2025年現在、国内正規のDVDや配信は存在せず、全話の視聴は困難である

・北米版DVDは存在するが、日本語吹き替えは未収録である

・現在も「迷場面集」がネットで人気を博すなどカルト的な支持を得ている

「宇宙忍者ゴームズ」は、アメリカのヒーローが日本のローカライズ(魔改造)によって独自の魅力を獲得した、非常に稀有な作品です。その破天荒な吹き替えは、今見ても新鮮な驚きと笑いを提供してくれます。

この調査が、伝説のアニメの魅力を再発見する一助となれば幸いです。いつの日か、このユニークな日本語吹き替え版が正式に復刻されることを願ってやみません。

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