宇宙ができる前って結局どうなってるの?科学的仮説からなんjの議論までを幅広く調査!

宇宙の始まりは「ビッグバン」であったという説は、今や広く知られています。約138億年前に、非常に高温・高密度の状態から宇宙が急速に膨張を開始したとするこの理論は、多くの観測結果によって支持されています。しかし、ここで一つの素朴な、そして非常に難解な疑問が浮かび上がります。「そのビッグバンが起こる前、つまり宇宙ができる前は、一体どうなっていたのか?」

この問いは、現代物理学の最先端であり、同時に哲学的な領域にも踏み込むものです。科学者たちは、この究極の謎を解き明かすために、理論物理学の枠を駆使し、様々な仮説を提唱しています。そこでは「無」とは何か、「時間」はいつ始まったのかといった、私たちの常識を揺るがすような概念が議論されています。

一方で、このような壮大で難解なテーマは、インターネット上の掲示板、特に「なんj」(なんでも実況J)のような場所でも活発な議論の対象となります。専門家ではない一般の人々が、この「宇宙ができる前」という謎について、独自の解釈や素朴な疑問、時にはユーモラスな想像を繰り広げているのです。

この記事では、「宇宙ができる前」という深遠なテーマについて、現在知られている主要な科学的仮説を詳細に解説するとともに、インターネット掲示板「なんj」ではこの問題がどのように受け止められ、語られているのか、その両面から幅広く調査し、考察していきます。


宇宙ができる前に関する科学的探求と「なんj」での関心

「宇宙ができる前」という問いは、科学者たちにとって最大の挑戦の一つです。私たちが知っている物理法則は、ビッグバンという「特異点」で機能しなくなるため、その「前」を直接記述することは極めて困難です。しかし、理論物理学者たちは諦めることなく、一般相対性理論と量子力学を統合しようとする試みなどを通じて、いくつかの魅力的な仮説を生み出しています。そして、この難解なテーマは「なんj」においても、人々の知的好奇心や想像力を刺激し続けています。

ビッグバン理論とその「特異点」の問題

まず、私たちが現在知る宇宙の「始まり」とされるビッグバン理論の限界点について理解する必要があります。ビッグバン理論は、宇宙が膨張しているという観測事実(ハッブル=ルメートルの法則)や、宇宙のあらゆる方向からほぼ均一に降り注ぐ「宇宙背景放射」の発見などによって、強力に支持されています。この理論によれば、宇宙の時間を遡っていくと、ある一点(時間ゼロ)ですべての物質とエネルギーが無限大の密度と温度を持つ「特異点」に達します。

アインシュタインの一般相対性理論は、この特異点の存在を予測しますが、同時にその点で理論自体が破綻してしまうことも示しています。つまり、特異点においては、密度や重力が無限大となり、既知の物理法則が適用できなくなるのです。これは、ビッグバン理論が「宇宙がどのように始まったか」を説明する上で非常に強力な枠組みである一方で、「ビッグバンそのものがなぜ、どのようにして起こったのか」「その瞬間に何があったのか」、そして「その前があったとすれば、それはどのような状態だったのか」については、原理的に答えられないという限界を持っていることを意味します。

この「特異点問題」こそが、「宇宙ができる前」を考える上での最大の障壁であり、物理学者たちが新たな理論、すなわち量子力学の効果を重力に組み込んだ「量子重力理論」を模索する大きな動機となっています。「なんj」でも、「特異点って結局何?」「無限大って意味わからん」といった形で、この概念の難解さそのものが話題になることが少なくありません。

「無」からの宇宙創生?量子ゆらぎの理論

「宇宙ができる前」の状態として、最も直感に反するかもしれない仮説の一つが、「無」から宇宙が誕生したというものです。これは、量子力学の世界観に基づいています。

私たちの日常的な感覚では、「無」とは文字通り何も存在しない状態を指します。しかし、ミクロな世界を記述する量子力学では、「完全な無」は存在しないと考えられています。量子論的な「真空」は、エネルギーがゼロの状態ではなく、常に仮想的な粒子(仮想粒子)が対生成と対消滅を繰り返している、活発な「ゆらぎ」の状態にあるとされます。この「真空のエネルギー」は、実際に観測可能な現象(カシミール効果など)を引き起こすことも知られています。

この考え方を宇宙全体に拡張したのが、「宇宙の量子創生」仮説です。この仮説では、宇宙全体が一種の量子的な「ゆらぎ」として、「無」(何もない状態、あるいは時空すら存在しない状態)からトンネル効果のようにして「有」(私たちの知る時空と物質)として出現した可能性を考えます。物理学者のローレンス・クラウスは、その著書『宇宙が「無」から始まった理由』などで、量子力学の法則さえ存在すれば、宇宙は必然的に「無」から生じうると主張しています。

この仮説では、「宇宙ができる前」には時間も空間も存在せず、ただ量子力学的な「可能性の場」のようなものがあったのかもしれません。この「無からの創造」というアイデアは、「なんj」でも「結局『無』って何だよ」「その量子法則はどこから来たんだ」といった、さらなる根本的な問いを生むネタとして、またその非直感的な面白さから度々議論の対象となっています。

時間は宇宙と共に始まった?ホーキングの無境界仮説

「宇宙ができる前」という問い自体が無意味である、とする非常に興味深い仮説もあります。それが、著名な物理学者スティーヴン・ホーキング博士とジェームズ・ハートル博士によって提唱された「無境界仮説(No-Boundary Proposal)」です。

この仮説は、一般相対性理論に量子力学の効果を取り入れようとする試み(量子宇宙論)の一つです。彼らは「虚数時間」という数学的な概念を導入することで、ビッグバンが起こったとされる「始まりの特異点」を回避できる可能性を示しました。

ホーキング博士は、これを地球の表面に例えて説明しました。地球の表面(球面)を南下していくと、南極点に達します。南極点は「南の端」ですが、そこに「崖」や「境界」があるわけではありません。南極点よりも南という方向が存在しないだけです。同様に、宇宙の時間を遡っていくと、ある時点(ビッグバンに対応する点)に達しますが、それは時間の「始まり」の特異点ではなく、地球の南極点のような滑らかな点であり、「それ以前の時間」というものは(実数時間においては)存在しない、というのがこの仮説の描像です。

つまり、無境界仮説によれば、「宇宙ができる前」という問いは、「南極点の南には何があるか?」と尋ねるのと同じくらい無意味な問いであるということになります。時間は宇宙の誕生と同時に始まり、それ以前を問うこと自体が成立しない、というわけです。この考え方は、私たちの時間に対する直感を根底から覆すものであり、「なんj」では「つまりどういうことだってばよ」「理系ニキ解説してくれ」「虚数時間とか厨二病っぽい」といった反応を引き起こし、その難解さと哲学的な響きが議論を呼んでいます。

宇宙は繰り返す?サイクリック宇宙論とビッグバウンス

「宇宙ができる前」には、実は「別の宇宙」が存在したのではないか、という仮説も有力です。それが「サイクリック宇宙論(循環宇宙論)」です。

このモデルでは、私たちの宇宙は唯一無二の始まり(ビッグバン)を迎えたのではなく、実際には膨張と収縮を永遠に繰り返している周期的なプロセスの一部であると考えます。現在の宇宙は膨張を続けていますが、将来的には(例えばダークエネルギーの性質が変化するなどして)重力が優勢となり、収縮に転じるかもしれません。そして、すべての物質が一カ所に集まる「ビッグクランチ(大収縮)」を迎えます。

従来の考え方では、ビッグクランチもビッグバンと同様に特異点を生み出し、そこで宇宙は終焉するとされていました。しかし、サイクリック宇宙論では、量子重力的な効果によって特異点が回避され、極限まで収縮した宇宙が「反発(バウンス)」し、新たなビッグバン(ビッグバウンス)を引き起こして再び膨張を開始すると考えます。

このモデルでは、「宇宙ができる前」とは、すなわち「前の宇宙の収縮期」であったということになります。宇宙は火の鳥のように、自らの終わりから新たな始まりを生み出すことを永遠に繰り返しているのかもしれません。この壮大な宇宙像は、「なんj」でも「前の宇宙の記憶とかないんか?」「リセットボタン押されてるだけやん」「ループもの」といったSF的な想像を掻き立てるテーマとして人気があります。


多様な宇宙観と「宇宙ができる前」をめぐる「なんj」的考察

「宇宙ができる前」を探る旅は、私たち自身の宇宙が唯一のものではない可能性、あるいは高次元の存在を示唆する理論へと私たちを導きます。これらの仮説は、さらに難解で思弁的になりますが、同時に私たちの想像力を強く刺激します。そして、このような「ぶっ飛んだ」理論こそ、「なんj」のような場所で格好の議論のネタとなるのです。

親宇宙から子宇宙が生まれる?多宇宙論(マルチバース)

「宇宙ができる前」の答えとして、「別の宇宙があった」とする考え方の一つに「多宇宙論(マルチバース)」があります。特に、宇宙の初期に急激な膨張(インフレーション)が起こったとする「インフレーション理論」から派生した「永久インフレーション」モデルは興味深い示唆を与えます。

インフレーション理論自体は、ビッグバン理論が抱えるいくつかの問題(宇宙の平坦性問題や地平線問題など)を解決するために提唱され、観測とも整合的であるとされています。永久インフレーションモデルでは、このインフレーションが宇宙全体で一様に終わったのではなく、ある領域ではインフレーションが終わり、ビッグバン(私たちの宇宙)が始まった一方で、他の広大な領域では今もなおインフレーションが続いていると考えます。

そして、インフレーションを続ける「親宇宙」のあちこちで、量子的なゆらぎによって次々と「泡」のように新しい宇宙(子宇宙)が生まれている、というのです。このシナリオでは、私たちの宇宙もまた、そのような無数の宇宙の一つに過ぎません。

このモデルでは、「私たちの宇宙ができる前」には、インフレーションを続ける親宇宙が存在したことになります。さらに、生まれてくる子宇宙ごとに、物理法則や物理定数(光の速さや素粒子の質量など)が異なっている可能性も指摘されています。私たちが知る宇宙が、生命にとって都合の良い(ように見える)物理定数を持っているのは、単に「そうした宇宙でなければ私たちは生まれなかった」からだとする「人間原理」的な説明とも相性が良い理論です。

「なんj」では、このマルチバースという概念は非常に人気があり、「異世界転生モノの理論的根拠」「ワイらの宇宙は当たりなんか?ハズレなんか?」「物理法則ガチャ」といった形で、SFやフィクションと結びつけて語られることが多いのが特徴です。

高次元空間に浮かぶ「膜」?ブレーン宇宙論

さらに奇想天外な仮説として、「ブレーン宇宙論(膜宇宙論)」があります。これは、物理学の最先端理論である「弦理論(超ひも理論)」や、それを拡張した「M理論」から導かれる宇宙像です。

これらの理論では、世界は私たちが認識している3次元空間(+時間)ではなく、もっと多くの次元(例えば10次元や11次元)から成り立っていると考えます。そして、私たちの宇宙(物質や光など)は、その高次元空間(バルクと呼ばれる)に浮かぶ「ブレーン」と呼ばれる3次元の「膜」のようなものに閉じ込められている、というのです。

このブレーン宇宙論のモデルの中には、「宇宙ができる前」について大胆な説明を試みるものがあります。例えば、「エキピロティック宇宙論」や「サイクリック・ブレーン宇宙論」と呼ばれるモデルでは、私たちの宇宙(ブレーン)とは別に、高次元空間には他のブレーンが存在すると考えます。そして、ビッグバンは、これら2枚のブレーンが周期的に衝突することによって引き起こされる火の玉である、と説明します。

このシナリオでは、「宇宙ができる前」とは、2枚のブレーンが互いに離れていた時期、あるいは衝突に向かって接近していた時期に対応します。衝突によってエネルギーが解放され、私たちの宇宙が熱い火の玉(ビッグバン)として再生されるのです。このモデルは、先に述べたサイクリック宇宙論(ビッグバウンス)の一種とも言えますが、そのメカニズムを高次元の「膜」の運動として説明する点が異なります。

高次元や「膜」といった概念は非常に難解ですが、「なんj」では「高次元の存在から見たらワイらはペラペラなんか?」「もう何でもアリやな」「SF超えてる」といった形で、そのスケールの壮大さや非日常感が面白がられ、様々な憶測や冗談の対象となっています。

「なんj」で語られる哲学的・SF的な宇宙以前

科学的な仮説が難解さを極める一方で、インターネット掲示板「なんj」では、「宇宙ができる前」というテーマについて、より自由で多岐にわたる議論が展開されています。そこでは、科学的な正確さよりも、素朴な疑問や哲学的な問い、あるいはSF的な想像力が中心となります。

よく見られる議論のパターンとしては、以下のようなものがあります。

  • 神・創造主の存在: 「結局、神様が作ったんやろ」「誰かが『はじめ』のスイッチを押した」といった、創造主の存在を仮定する意見。これは科学的な議論とは異なりますが、根源的な「第一原因」を問う素朴な感覚の現れと言えます。
  • シミュレーション仮説: 「この世界は全部シミュレーション」「宇宙ができる前は、前のバージョンのシャットダウン中やったんや」といった、我々の宇宙が高度な文明によって作られた仮想現実であるとする考え方。これは映画『マトリックス』などにも通じるポピュラーなSF的アイデアです。
  • 「無」への問い: 「『無』があったとして、その『無』はどこにあったんや?」「『無』があるって時点で『有』やないか?」といった、「無」という概念そのものをめぐる哲学的なループ。
  • 諦観とユーモア: 「考えてもわからんことはわからん」「どうでもええわ」「ワイが寝てる間や」といった、壮大すぎる謎に対する諦観や、それを笑いに変える「なんj」特有のノリ。
  • 理系ニキへの期待: 「詳しいやつおる?」「文系ワイにわかりやすく説明してクレメンス」といった、専門的な知識を持つ(とされる)ユーザー(理系ニキ)に解説を求めるスレッド。

これらの議論は、科学的な答えを導き出すものではありませんが、「宇宙ができる前」という究極の謎が、専門家だけでなく一般の人々にとっても強い関心の対象であり、知的好奇心や想像力を刺激する源泉であり続けていることを示しています。


宇宙ができる前の謎と「なんj」の反応まとめ

宇宙が始まる前、その「無」とも「前」とも言えない状態について、科学者たちは量子論や相対性理論、弦理論などを駆使して多様な仮説を打ち立てています。それらは「無からの創生」「時間の始まりそのもの」「繰り返す宇宙」「多次元の衝突」など、私たちの想像を絶するシナリオを描き出します。同時に、この深遠なテーマは「なんj」のようなネットコミュニティにおいても、知的な遊びや哲学的な問いとして、活発な議論の対象となっています。

宇宙ができる前の議論と「なんj」の見解についてのまとめ

今回は宇宙ができる前の科学的仮説と「なんj」での議論についてお伝えしました。以下に、今回の内容を要約します。

・宇宙の始まりは約138億年前のビッグバンとされる

・ビッグバン理論は「特異点」の問題を抱え、その「前」を説明できない

・「宇宙ができる前」は現代物理学の最先端の謎である

・量子力学では「完全な無」は存在せず、常にゆらいでいる

・仮説の一つに「無」からの量子的ゆらぎによる宇宙創生がある

・ホーキングらの「無境界仮説」は「宇宙ができる前」という問い自体が無意味とする

・無境界仮説では時間は宇宙と共に始まり「始まりの端」はないと考える

・宇宙が膨張と収縮を繰り返す「サイクリック宇宙論(ビッグバウンス)」もある

・このモデルでは「前」には「前の宇宙の収縮期」が存在した

・インフレーション理論から「多宇宙論(マルチバース)」が派生した

・多宇宙論では親宇宙から子宇宙が次々と生まれるとされる

・弦理論などに基づく「ブレーン宇宙論」は高次元空間を仮定する

・ブレーン宇宙論では宇宙は高次元に浮かぶ「膜」であり、膜同士の衝突がビッグバンとする説もある

・「なんj」ではこのテーマが活発に議論され、神やシミュレーション仮説も語られる

・「なんj」では難解な理論がユーモアやSF的想像の対象となる

このように、科学者たちは「宇宙ができる前」という究極の謎に対して、理論的な探求を続けています。一方「なんj」では、その難解さや壮大さが、人々の好奇心や想像力を刺激し、独自の仕方で消費されている様子がうかがえます。科学の進展が、いつの日かこの根源的な問いに明確な答えを与えてくれるのか、あるいは謎は謎のまま残り続けるのか、これからも目が離せません。

この記事が、「宇宙ができる前」という壮大なテーマについて考えるきっかけとなれば幸いです。

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