NHKのEテレ（教育テレビ）は、長年にわたり多くの子供向け教育バラエティ番組を放送し続けています。その中でも、独特のダミ声と愛らしい（？）キャラクターで、世代を超えて愛されている存在が「ニャンちゅう」です。1992年の初登場以来、ニャンちゅうは様々な番組で活躍してきましたが、2018年からは「ニャンちゅう！宇宙！放送チュー！」という、宇宙を舞台にした新シリーズがスタートしました。この記事では、この「ニャンちゅう！宇宙！放送チュー！」の番組概要、ニャンちゅうの長い歴史、そしてキーワードでもある「タラスズ」という存在の正体、さらには番組を彩る詳細なコーナー内容に至るまで、徹底的に幅広く調査し、その魅力の全貌に迫ります。
ニャンちゅうと「宇宙！放送チュー！」の概要とタラスズの役割
「ニャンちゅう！宇宙！放送チュー！」は、2018年4月8日からNHKEテレで放送が開始された子供向けの教養バラエティ番組です。この番組の最大の特徴は、その舞台設定にあります。主人公である地球ネコのニャンちゅうが、地球から遠く離れた月面に設立された「地球放送局」の局長として、宇宙人たちに向けて地球の文化や魅力、そして宇宙の不思議を発信するという壮大なコンセプトを持っています。ニャンちゅうは、宇宙人の仲間たちと共に、歌やクイズ、VTRコーナーを通じて、全宇宙の視聴者を楽しませるべく日々奮闘します。番組は放送開始以来、放送時間帯の変更を重ねており、2023年度からは木曜日の夕方、さらに2024年度からは金曜日の夕方16時10分から16時40分までの30分番組として放送枠が拡大され、より充実した内容が届けられています。
ニャンちゅうという存在の歴史
番組の主人公であるニャンちゅうは、非常に長い歴史を持つキャラクターです。その初登場は1992年4月11日に放送が開始された「母と子のテレビタイム土曜版」に遡ります。設定上は「ネズミの着ぐるみを着たネコの男の子」であり、その特徴的なダミ声と「おまんじゅうが食べたい」といった独特の口癖で、瞬く間にお茶の間の人気者となりました。その後、「母と子のテレビタイム日曜版」「あつまれ！わんパーク」といった後継番組を経て、2003年には初の冠番組「ニャンちゅうといっしょ」がスタート。さらに2005年からは「ニャンちゅうワールド放送局」としてリニューアルし、世界各国の子供向け番組を紹介する局長として長年親しまれました。そして2018年、舞台を世界から宇宙へと移し、「ニャンちゅう！宇宙！放送チュー！」が誕生したのです。この30年以上にわたるキャリアの中で、ニャンちゅうは常に子供たちに寄り添い、時代の変化と共にその役割を進化させてきました。
ニャンちゅうの声優の変遷
ニャンちゅうのアイデンティティとも言えるあのダミ声は、1992年の放送開始当初から約30年間にわたり、声優の津久井教生氏が担当してきました。津久井氏の演じるニャンちゅうは、ときにわがままを言いながらも憎めない、唯一無二のキャラクターとして確立されました。しかし、津久井氏は2019年に難病である筋萎縮性側索硬化症（ALS）と診断されたことを公表。闘病中も番組への出演を続けていましたが、2023年3月をもってニャンちゅう役を卒業することが発表されました。長きにわたる貢献に、多くの視聴者から感謝と労いの声が寄せられました。そして2023年4月放送回からは、後任として声優の羽多野渉氏がニャンちゅうの声を担当しています。羽多野氏は、津久井氏が築き上げたニャンちゅうのイメージを大切に引き継ぎつつ、新たな世代の子供たちに向けてニャンちゅうの魅力を発信しています。
キーワード「タラスズ」とは
今回のキーワードの一つである「タラスズ」とは、一体何なのでしょうか。これは「ニャンちゅう！宇宙！放送チュー！」の放送開始である2018年4月から2023年3月までの5年間、番組の「おねえさん」を務めた鎮西寿々歌（ちんぜいすずか）氏の愛称（役名）です。鎮西氏は、過去に「天才てれびくん」シリーズにてれび戦士として出演していた経歴も持ち、ニャンちゅうシリーズのおねえさんとしては12代目に当たります。タラスズは、宇宙を旅している最中に地球を見つけ、その魅力を発信するためにニャンちゅうたちと番組を始めたという設定でした。明るい笑顔と親しみやすいキャラクターで、ニャンちゅうとのコンビネーションも抜群であり、番組の初期を支える中心的な存在として活躍しました。彼女はニャンちゅうシリーズのおねえさんとして歴代最長の出演期間を記録し、多くの視聴者に愛されました。
歴代のおねえさんたち
ニャンちゅうの番組には、必ず「おねえさん」と呼ばれるアシスタント役の女性タレントが出演してきました。彼女たちはニャンちゅうのパートナーとして番組を進行し、視聴者の子供たちにとっては憧れの存在でもあります。「タラスズ」こと鎮西寿々歌氏は12代目にあたりますが、それ以前にも多くの人々がこの役を務めてきました。初代は白石まるみ氏（まるみちゃん）、2代目は古村比呂氏（ひろちゃん）、3代目は「プリンプリン物語」の声優や歌手としても知られる石川ひとみ氏（ひとみちゃん）、4代目は笹峯愛氏（あいちゃん）、5代目は伊藤かずえ氏（かずちゃん）、6代目は清水ゆみ氏（ゆみちゃん）、7代目は「特捜戦隊デカレンジャー」のデカピンク役でも知られる菊地美香氏（みかちゃん）、8代目は鴻上久美子氏（くみちゃん）、9代目は「千と千尋の神隠し」で千尋役の声優を務めた柊瑠美氏（ミルちゃん）、10代目は河西里音氏（りおんちゃん）、11代目は横田美紀氏（みきちゃん）と、錚々たる顔ぶれが並びます。そして12代目タラスズの後、2023年度からは13代目としてマイラ（舞良）氏、2024年度からは14代目としてミライ（日向未来）氏が、新たな仲間と共に番組を盛り立てています。
ニャンちゅうが「放送チュー」する宇宙と地球の魅力
「ニャンちゅう！宇宙！放送チュー！」は、そのタイトルの通り「宇宙」と「放送」をテーマにした様々なコーナーで構成されています。月面の放送局から全宇宙に向けて発信される番組は、地球の文化や自然の面白さ、そして宇宙の広大さと不思議さを伝える内容に満ちています。ニャンちゅうやタラスズ（放送初期）、そして現在のマイラやミライといった出演者たちが、ユニークな宇宙人の仲間たち（ベラボラ、えーぞうなど）と共に、子供たちの知的好奇心を刺激する情報を提供します。
番組の主要なコーナー紹介
番組の中核を成すのは、多様なVTRコーナーです。例えば「地球キッズニュース」は、世界各国に住む子供たちが自らレポーターとなり、自分たちの国や地域の文化、お気に入りの場所や遊びを紹介するコーナーです。視聴者はスタジオのニャンちゅうたちと共に、あたかも世界旅行をしているかのような気分で、多様な文化に触れることができます。中南米のグアテマラやヨーロッパのイギリス・シェトランド諸島など、普段なかなか知ることのできない地域の情報が紹介されることもあります。また、地球の様々な職業や活動にスポットを当てる「地球応援団」といったコーナーも存在し、地球で頑張る人々を紹介することで、社会への関心を育みます。
宇宙の不思議を探る「クイズ！宇宙に夢チュー」
番組のもう一つの大きな柱は「宇宙」に関する学びの要素です。「クイズ！宇宙に夢チュー」は、その代表的なコーナーであり、宇宙に関する様々なトピックをクイズ形式で楽しく学ぶことができます。例えば、宇宙ステーションから撮影された地球の写真に写る謎の現象の正体を問う問題や、太陽系の惑星（木星、金星、水星など）の特徴を比較する問題などが出題されます。これらのクイズを通じて、子供たちは宇宙科学に関する基礎的な知識を自然と身につけることができます。また、ペルーのナスカの地上絵など、宇宙との関連が噂される古代のミステリーを取り上げることもあり、ロマンと知的好奇心をかき立てます。
創造力を育むコーナー
「ニャンちゅう！宇宙！放送チュー！」では、知識のインプットだけでなく、創造力を育むコーナーも用意されています。「宇宙ねんど遺産」は、ねんどクリエイターとして活躍する岡田ひとみ氏が出演し、ニャンちゅうたちと共にねんど作品を制作するコーナーです。テーマに沿ったユニークな作品が生み出される過程は、子供たちの創作意欲を刺激します。さらに、番組では視聴者からのイラストやおたより、写真なども募集しており、自分の作品が番組で紹介されるかもしれないという楽しみも提供しています。このように、番組は一方的な情報発信（放送チュー）に留まらず、視聴者との双方向のコミュニケーションを重視した構成となっています。
ニャンちゅうと宇宙、放送チュー、そしてタラスズのまとめ
ニャンちゅう！宇宙！放送チュー！とタラスズに関する要約
今回はニャンちゅうと、彼が局長を務める番組「ニャンちゅう！宇宙！放送チュー！」、そしてキーワードであるタラスズについてお伝えしました。以下に、今回の内容を要約します。
・ニャンちゅうは1992年にNHKの番組で初登場したネコのキャラクターである
・「ニャンちゅう！宇宙！放送チュー！」は2018年からEテレで放送開始した
・番組の舞台は月面にある地球放送局であり宇宙人に向けて放送している
・タラスズとは12代目おねえさん鎮西寿々歌の愛称（役名）である
・タラスズは2018年の番組開始から2023年3月まで5年間出演した
・ニャンちゅうの初代声優は津久井教生が約30年間担当した
・現在のニャンちゅうの声優は羽多野渉が担当している
・ニャンちゅうのおねえさんは2024年現在で14代目を数える
・番組には「地球キッズニュース」という世界の子どもが発信するコーナーがある
・「クイズ！宇宙に夢チュー」では宇宙に関する知識をクイズで学べる
・「宇宙ねんど遺産」はねんど作品を作る創造的なコーナーである
・番組は2024年度から放送時間が30分に拡大された
・ニャンちゅうは「母と子のテレビタイム」でデビューした
・タラスズ（鎮西寿々歌）はニャンちゅうシリーズ歴代最長の出演期間である
・現在の出演者は14代目おねえさんのミライ（日向未来）などである
ニャンちゅうの番組は、時代に合わせてその姿を変えながらも、常に子供たちの好奇心に応える内容を提供し続けています。 「ニャンちゅう！宇宙！放送チュー！」として宇宙に飛び出したニャンちゅうが、これからどんな地球の魅力や宇宙の不思議を発信してくれるのか、ますます目が離せません。 タラスズからマイラ、そしてミライへと引き継がれたおねえさんたちの活躍と共に、番組の更なる発展に期待しましょう。
